

4. 役員による「横領・背任トラブル」
この事案は、創業40年以上の歴史のある会社で起こった、多額の横領事件です。創業家が信頼して社長を任せた人物に、その社長が経営する別会社の資金繰りに窮して多額の資金を横領され、会社に多額の損害を与えられたという創業家Dさんからの相談です。病院においても内部人材によるトラブルは、巧妙で悪質なケースが多いので、しっかりとしたチェック体制が必要です。
創業家の三代目社長であるDさんは、経営は順調であったものの体調が優れず、また後継者と考えている息子の年齢も若いことから、知人から紹介を受けた人物に社長を任せることにしました。株式の一部も社長に譲渡し、本格的に経営を委ねることとなりました。しかし、そこから社長による会社を食い物にする行為がスタートしたのです。
会社の資金を勝手に自分の経営する別会社に貸し付ける。その返済は、金融機関から借りてきた資金を返済したように帳簿の改ざんをする。あるいは、会社の手形を乱発しそれを割引いた資金を横領する。この社長が会社に与えた損害は余りにも多額で、この会社の存亡の危機にまで発展したのです。
そんな事実が発覚した直後に、DさんよりADR総研に相談がありました。先ずは会計帳簿と預金通帳の照合や、金銭消費貸借などの契約書類のチェックから入りました。すると、社長のみならず、会計担当者とグルで資金を横領していた事実が浮き彫りになりました。
社内の関係者からの話しを陳述書に纏め、その証拠書類としての会計帳簿や通帳などを整理し、告訴状を作成して警察に刑事告訴をしました。現在、刑事事件の裁判が進行中で、先方の弁護士から示談の申し入れがありましたので、示談により資金の一部を回収できる見込みです。
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