医療、介護、福祉などの分野に従事する方々は、心身に多くのストレスを抱えている。
患者からの過度の要望に応え、定期的な当直による時間的拘束など、ストレス要因も多用である。その結果、若手の医師や看護師らは働き方を再検討することもあり、これら医療人材は高い流動性に現れている。日本看護協会によると、2007年の看護師の平均離職率は12.6%であり、一般的な離職率が5%程度であることを考えると、環境に一因があると考えざるを得ない。
このような医療業界のストレス解消を「ヨガ」により実現しようと活動している一人が、ルナワークスの伊藤朋子氏である。
伊藤氏は大手総合商社を経て経営学修士MBAを取得後、180度の方向転換を図り、米国にてヨガをメディカルな視点から研究してきた。最近では東京慈恵会大学附属第三病院で、医師、看護士向けのクラスにてメディカル・ヨガの普及に努めている。
伊藤氏のプログラムは独特で、シニアを対象としたクラス、妊婦を対象にしたクラス、不妊症の方々を対象にしたクラス、車イスの方々を対象にしたクラスなど、患者向けのクラスに加え、医療従事者のためのストレス解消クラスも人気である。出張レッスンにも対応しているので、従業員の離職予防とご自身の健康のために、レッスン受講も一考の余地があるのでは。
(1) 医療従事者向け講座のご案内
医療、介護、福祉の現場で
企業にとって従業員の心と身体のケアはもはや深刻な問題です。実際には、時間、採算性などの都合上、なかなか思うような対策をとれずにいる事業所がほとんどです。
医療、介護、福祉に従事されている方々のストレスは心身両面に及びます。そして残念ながらこの尊い職場の離職率は依然として高いままです。
東京慈恵会医科大学付属第三病院の取り組み
そんな中、地域の人々へのよりよい医療はまずは病院でスタッフへの福利厚生の充実から、という理念に基づきヨガ・サークルを発足させた大学病院があります。看護士さんのみならず、医療事務の方々、リハビリ療法士の方々が参加されています。
(以下、事務部管理課・今関課長へのインタビューを抜粋します。)
ハードすぎる医療現場での業務に「忙しすぎて心が疲れ果ててしまう・・」と退職する人材が後を絶ちません。キャリアを積んできた看護師たちがやめてしまうのは病院にとっても本人にとってもダメージが大きい。そこで職員の心のケアを目的としてヨガを導入してみました。
実際に病院で行われるレッスンを見学してみると、ヨガといっても難しいポーズもなければ運動量も決して多くはありません。普段着のまま、靴を履いたまま参加できる気軽なものです。椅子に座ったりつかまったりして身体をほぐしたり、ストレスを開放するイメージトレーニングを行ったりします。椅子を使ったポーズは身体の硬い人や体力のない方でも無理なく挑戦でき、勤務の間や自宅でも復習できると喜ばれています。少しづつですが、身体が冷えたり足がむくんだり、夜寝付けなかったり、という不調が緩和されてきているようです。イメージングや呼吸法も難しい方法論はなく、抵抗感のないものを紹介いただいています。例えば、手のひらから魚を逃がすビジュアリゼーション。水をすくった手のひらに魚がいる様子を思い描き、今日のストレスを魚に打ち明けてリラックスし、その魚を海へと返せば広い海が私たちの疲れを洗い流してくれます。
病院というと堅苦しいイメージを持たれがちですが、ハードな勤務を想像させないほど和気あいあいとヨガを楽しむ職員の姿こそが第三病院の目指す職場環境なのです。
ヨガの効果や楽しさを知った参加者の方々はイベントの場や医療現場で自らヨガの情報を発信することも始めています。
地域住民との交流を目指し年一回病院で行われるイベントである「ホスピタル・フェア」においてヨガクラスで学んだ内容を広めようと、職員の皆さん自ら資料を作り体験講座を行って好評を得ました。また、ヨガの知識を患者さんへのアドバイスに役立てている方もいらっしゃいます。
第三病院の活動はYogini ( 2009 Vol. 16 36ページならびに「ヨガサークルのそれから」として 2009 Vol. 19 92ページに紹介されています)
ヒントはシングルタスク
皆さんは電車に乗っている間、携帯の画面を一度も見ずに会社にたどり着くことができますか。子供と話をするとき、何かをしながらではなく、子供と真正面から向き合う時間をとれていますか。食事をしながら本を読み、音楽を聴いたりしていないでしょうか。時に息抜きのための旅行にすら、私たちは多くの副業を持ち込みます。
私たち現代人は、複数のことを同時並行にやればやるほど「マルチ・タスク」効率よく充実した時間を過ごせたと思いがちですが、一つのことだけをただ味わう時間「シングル・タスク」をそれと引き換えに失っています。
一日20分、睡眠とは別に自分のためにゆっくりと眼をつむり心を休ませる時間をとることができますか、という問いかけをしたときに「はい」と答えられる現代人はほとんどいないでしょう。しかしながら、私たちには平等に一日24時間という時間が与えられているはずなのです。24時間もありながら、たった20分を捻出できないような生活とはいったいどんなに忙しい生活なのでしょうか。たった数分もの息抜きを許さない余裕のない心のあり方、生活パターン、社会、そして職場が、私たちの多くをかからなくてもいい病、かからなくてもいい心の疲れに追いやってきているのかもしれません。
職場に15分のシングルタスクの時間を
従業員の心と身体を守りましょう
午後や昼休みに15分、あるいは10分の間、マルチタスクから開放され、じっと眼をつむる、あるいはじっと手を休める時間を確保することで、午後の作業効率が向上するという研究結果が報告されています。
このようなシングルタスクの時間は必ずしもヨガでなくてもいいのです。音楽を聴くもよし、球技等の軽い運動をするもよし、ただ椅子でうつぶせになるもよし。
たったこれだけの時間でも、煩わしさから全て開放されるひと時が保証されるだけでメンタルヘルス対策として十分な効果が期待できます。
ヨガの時間はまさにシングルタスク
ただ自分の呼吸だけを観察する贅沢
福利厚生にヨガをお薦めする理由は、ヨガはとても手っ取り早く「シングルタスク」を実現できるからに他なりません。
呼吸に集中することはとても簡単なシングルタスクであり、同じく何も考えずに身体を軽く動かしたあと、数分感じっと休む時間をとることにより、副交感神経を優位にすることができます。これにより、私たちの脳と身体は睡眠をとったときと同様あるいはそれ以上にリフレッシュできるのです。
職場で無理無く行えるヨガとは
ヨガは長い歴史と深い哲学を持ち伝えられてきましたが、 職場で幅広い年齢層の方々にヨガを始めていただくためには、必要以上に宗教観やヨガ哲学を前面に押し出す必要はないと考えます。
ルナワークスでは「職場でのヨガに込めるメッセージは極力シンプルに」を心がけています。
呼吸をしている自分を客観的に観察してみましょう
身体が痛いと言っているか気持ちいいと言っているかを観察してみましょう
隣の人の腕の上がり具合と自分のとを比較しない、自分は自分でO.K.
ヨガをしている時間は仕事のこと、善悪の判断や物事に対する先入観をいったん全部忘れましょう。
ヨガをしている時間こそ、自分や他人にしてきた過度な期待を一度手放してみましょう。
ヨガの学びは「手放すこと」「寄り添うこと」
ヨガを練習することで何かを身につけていくわけではありません。強いていえばヨガは「手放す練習」「寄り添う練習」だと言えるでしょう。私たちがいかに普段から何かしら執着しがちな生活習慣でストレスをため、自分にも他人にもうまく寄り添うことが出来ず癒しを求めて彷徨い続けてきたかを思うとき、私たちに必要な練習は「手放すこと」「寄り添うこと」だと気づくのです。
健康会計を意識した福利厚生の取り組みの一環としてヨガを取り入れる企業が増えてきています
ルナワークスでは医療・福祉・介護の現場や職場への福利厚生としてのヨガの導入に関する講演・コンサルテーション・コラム執筆を積極的に行っております。
職場で行うヨガは身体の改善よりもむしろメンタルヘルスケアやストレスマネジメントを目的としています。身体を動かすことの少ないデスクワークによって、疲労姿勢や精神面の悩みを抱えた従業員の方々にとって、限られた休日の間でストレスを解消し、生産性の向上に努めることは簡単なことではありません。穏やかな心、協調性、集中力、冷静な判断が必要とされる職場においてこれらの問題の解決を未来への企業戦略として本気で取り組む企業が増えてきています。
また、イントラネットや社内紙で職場や家庭で簡単にできるヨガのポーズやヨガの考え方を社員の方々にお読みいただきながら、自分の心の健康の鍵を握るのは実は「軽い運動」や「穏やかなほんのひととき」であることを啓蒙いただくことも効果的です。
ヨガを用いた福利厚生にはQOL向上に関するたくさんのヒントが隠されています。職場のメンタルヘルス対策にご活用ください。
(2) 福利厚生としてのヨガ導入講座
対象:医療、介護の現場の福利厚生を担当されている方、職場でヨガサークルの設立を希望されている方、企業の福利厚生担当の方
ガイダンス料:2時間:40,000円 (+ 交通費実費)
希望日時2,3を明記の上、下記フォームよりお問い合わせください。
http://senioryogafit.luna-works.com/form/contact.html
ガイダンス内容(一例)
1.ヨガ・サークルを作ってみませんか
2.運営の工夫、解説の際の留意点
3.ヨガの何が心と身体に効くのか
4.安全にヨガを楽しむための7つのルール
5.身体が固くても大丈夫!ポーズの簡略化、イスを使った応用ポーズ
6.宗教観のない、現代人の疲労回復に特化したヨガ
7.福利厚生にヨガという考え方
8.健康会計の導入を考える
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