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血小板活性化因子(PAF)生合成遮断による未解決な神経因性疼痛の緩和

カテゴリ:医療NEWS, 癌治療 タグ: , ,  投稿日:2017年04月10日

神経因性疼痛は既存の鎮痛薬では取り除くことができないのが現状である。この痛みは糖尿病やがんに伴っても発生するものである。神経因性疼痛の発症の持続の分子メカニズムは完全には解明されていないが、ATPやPAFが関連分子として報告されている。しかし、まだ有効な薬剤が開発されていない。そこで、国立国際医療研究センター、国立がん研究センター、東京大学、理化学研究所の共同研究チームは、生体膜リン脂質の多様性形成と細胞機能について研究を行っており、その中でリン脂質メディエーターであるPAFの生合成酵素(LPCAT2)も研究対象としている。今回、研究チームはLPCAT2遺伝子欠損マウスを作製し神経因性疼痛との関連を調べた。

血小板活性化因子(PAF)はリン脂質メディエーターで、細胞外の刺激に応じて合成される。現在、PAFの生合成酵素としてLPCAT1とLPCAT2の2種類が知られている。今回、それぞれの酵素欠損マウスを作製し神経因性疼痛を評価した。疼痛モデルは坐骨神経部分損傷モデルである。LPCAT1欠損マウスは神経因性疼痛の症状の1つであるアロデニアを示したが、LPCAT2欠損マウスはアロデニアが軽減していた。このモデルでは脊髄後角でミクログリアが増加していた。LPCAT2も脊髄ミクログリアに発現している事を確認できた。また、脊髄中のPAFの存在はLPCAT1欠損マウスでは確認できたが、LPCAT2欠損マウスでは検出できなかった。細胞をPAFやATP(神経因性疼痛を誘発する)で刺激するとPAFが産生される。ATP刺激によるPAF産生は、PAF受容体拮抗薬でPAFシグナルを遮断すると減少した。これは産生されたPAFが再びPAFを産生するフィードバックループの存在を示唆している。それゆえに、このループが神経因性疼痛を悪化や持続させるPAF pain loopではないかと推測されている。

共同研究チームでは、このループの遮断による新規カテゴリー鎮痛薬開発へ発展させたいと考えている。そして、既存の薬剤では効かない患者の未解決な痛みを少しでも取り除ける可能性を見出すことを大きな目標としている。

(Medister 2017年4月10日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 血小板活性化因子(PAF)生合成遮断による未解決な神経因性疼痛の緩和 次世代鎮痛薬開発のターゲット候補

がん情報サービス「がんの臨床試験を探す」機能拡充

カテゴリ:医療NEWS, 癌治療 タグ: , ,  投稿日:2017年04月03日

国立研究開発法人国立がん研究センターは、種類や制度ごとに各所に分散しているがんの臨床試験の実施情報を網羅的に収集し、一般の方でも様々な条件で検索できるデータベースを構築し、臨床試験に関する解説と合わせホームページ「がん情報サービス」で公開している。

臨床試験とは、研究段階の医療の有効性や安全性を評価するもので、科学的根拠に基づいた観点で最良の医療であり保険診療で受けることのできる標準治療の確立を目的に実施される。臨床試験への参加は、新しい治療を受けられる可能性がある一方で、予期せぬ副作用など不利益を被る可能性があることも考えられ、個々の患者に適した臨床試験の検討、参加できるかどうかの判断は医師を通して行われる。また、患者自身も試験を受ける前に、その内容やメリット・デメリットを理解する必要がある。

臨床試験は、国内では未承認でも海外では承認されている抗がん剤の投与を受けられる最善の機会となるため、最近では、患者や家族自身が選択可能な標準治療実施後のさらなる選択肢を探す目的で情報収集することが少なくない。しかし、臨床試験は種類・制度などが複雑な上に、実施情報は各所に分散し医師向けにまとめられているものが多く、一般の方が情報収集することは容易ではない。

がん情報サービスは、患者や家族などが臨床試験を受ける前に知っておく必要のある基礎知識が得られ、また国内での臨床試験の実施情報を網羅的に検索できる唯一のサイトである。

この度、厚生労働省と医薬品医療機器総合機構において公開されている先進医療Aと先進医療B、患者申出療養、主たる治験、人道的見地からの治験(拡大治験)の情報をデータベースに追加し、さらに小児がんや年齢指定での絞り込み条件を増やし公開することとなった。 また、臨床試験に関する解説ページへも、2016年に新たに設けられた拡大治験および患者申出療養の解説を加え、患者や家族などが臨床試験を受ける前に知っておいて欲しい情報もさらに詳しくまとめてあるという。

(Medister 2017年4月3日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター がんの臨床試験情報を網羅的に検索できる唯一のサイト がん情報サービス「がんの臨床試験を探す」機能拡充 先進医療や拡大治験を追加、小児の絞り込み検索も可能に
国立がん研究センター「がん情報サービス」



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