カナダでは子宮頸がんワクチン接種が9歳時の2回に、日本との違いは?

カテゴリ:医療NEWS, 海外トピックス, 癌治療 タグ: ,  投稿日:2013年09月09日

2013年秋から、カナダ・ケベック州では同州に住む女児に対するヒトパピローマウイルス(以下HPV)ワクチンの推奨接種回数が3回から2回に変更される。今年5月に報告されたカナダ国内での臨床第Ⅲ相試験結果(JAMA 2013; 309: 1793-1802)に基づき、カナダの専門家委員会が推奨したことによるのだが、この新しい制度では、9~10歳時において6カ月間隔で2回の接種が主に学校で接種されることになる。

  そもそもHPVは子宮頸がんの原因ウイルスともいわれるが、他にも肛門がん、陰茎がん、膣がん、外陰がんの原因ともいわれ、HPVワクチンの接種によりこれらのがんに対して一定の効果があると示唆する研究結果もある。つまり「大半の女性にHPVワクチン接種を行うことで(男性への新たな感染を予防し)、これらのがんの予防にも役立つのではないか」と考えられたようだ。

同州保健当局は新しい制度において「9~10歳での2回接種で十分、それ以外では従来通り3回接種を推奨する」としており、そのメリットは
◆9歳~11歳の間はワクチンによる免疫獲得が良好である
◆HPV感染は通常、性活動の最初の年に起こるため、それ以前にワクチン接種することが望ましい
◆ケベック州では9歳時にB型肝炎ワクチンの接種が推奨されており、同時期に行うことで保護者の負担を軽減できる
などを挙げている。

 では日本の状況はどうだろう。厚生労働省は2013年6月、各都道府県に対し子宮頸がん予防ワクチン接種の積極的な勧奨の差し控えを求める一方、医療機関には接種を求める人には提供し続けるよう勧告した。これはいくつかの副作用の報告があったことに起因するが、医療関係者や保護者の間に大きな混乱を生じることとなった。
そんな中、東京大学の渋谷健司教授は日本の予防接種制度に対し、B型肝炎や風疹など多くの疾患を例に挙げ「日本は予防接種制度を改善する時期にあり、ワクチンで予防できる疾患の流行を防ぐべく、制度の再構築が必要である(The Lancet, Volume 382, Issue 9894, Page 768, 31 August 2013)」と警鐘を鳴らしている。
(Medister 2013年9月9日 葛西みゆき)
患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドラインの解説
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