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【インド】先端機器の導入による陽子線治療

インドの大手医療グループであるアポロホスピタルズが陽子線治療センターを設立することを先月下旬に発表した。設立費用はおよそ40億ルピー(約23億円)である。このような施設は東南アジア圏では第一号であり、次世代の癌治療を普及させるためのきっかけ作りともなると期待されている。医療機器、メンテナンス等を含めたその他サービスはベルギーに本社を置くIon Beam Applications(IBA)によって提供される。IBAは検査室の整備に加え、線量測定器なども提供することにより患者が早めに安全な治療を受けられるよう積極的に協力している。同センターは2016年にサービスを開始する予定だ。また施設の大部分をR&D(研究開発)に充て、他国の研究所と連携を図り、先進医療を誰もが享受できるようにイノベーションを推し進める。グループ会長のレディ博士は最先端の医療技術によって癌治療の新たなスタンダードをアジア圏中心に築き上げるということをBioSpectrum紙(インド)に述べている。陽子線治療の最大のメリットの一つとして副作用が少ないということが挙げられる。また良性細胞を傷つけずに悪性腫瘍を的確に捉えることができる。そのため眼や脳幹、脊髄など摘出が難しい箇所に効果的であると考えられている。インドでは現在300万人ほどの癌患者がいると見られており、毎年100万人程の新たなケースが報告されている。多くの場合癌が進行してから発見されるため、痛みを伴わない治療法に対する需要は高い。(Medister Taro 2013年2月22日)

ライフライン21がんの先進医療 1(2011 Mar.)―がん患者と家族に希望の光を与える情報誌 特集:重粒子線治療/陽子線治療
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