【シンガポール】国内84診療所を有するラッフルズメディカルグループ
シンガポールの大手病院運営会社であるラッフルズメディカルグループは国内に74ヵ所の診療所を有し、香港と上海に合わせて4つの医療センターを持つ。シンガポールと香港では空港にも診療所を構えている。現在は主に東南アジア圏に軸足を置き事業を展開している。同社の病院は悩みを抱える患者に幅広く対応することを目標とし、心臓血管外科から産婦人科、整形外科まで設置している。
今年7月に公表された第2四半期の決算報告書によると売上高は前年比14.9%増の7690万ドル(2012年10月4日現在、約50億円)、粗利益は7.1%増の1250万ドル(2012年10月4日現在、約8億円)であった。なお、中核事業である病院業務部門は19.1%増、ヘルスケアサービス部門は9.1%増の売上を得る結果となった。また年間売上高、売上総利益は年々増加傾向にある。
事業の多角化により、同社は専門医、歯科医師、スタッフ等全体的に人員を拡充した。このため第2四半期は前年比19.1%増の費用が掛かった。また同様の理由で病院、診療所の敷地面積の拡大にも努めているため、移転費も掛かることになる。これらのコストをいかに抑えるかが今後の課題となりそうだ。病院や診療所の移転に関しては、最新の医療機器の導入等が可能となるため、長期的には医療技術の向上に繋がるかもしれない。CIMB銀行のアナリストによるとシンガポールでは近年病床不足が問題となり病院が全ての患者を受け入れられない事態が発生しているが、その中でもラッフルズは比較的上手く対応しているとのことだ。広々とした病棟、病室を設けることは一時的なコストは掛かるものの、急増する入院患者を治療する上では一定の効果があることがわかる。また外国からの患者数も増加しているため、同社のような総合医療センターは今後益々必要性が高まることだろう。(Medister Taro 2012年10月5日)
<参考情報>
ラッフルズメディカルグループ