【マレーシア】デング熱で今年すでに27名が死亡
熱帯地域に属しているマレーシアではデング熱による患者が年々増加している。1901年に国内で最初の感染者が報告されてから、デング熱は何千人もの命を奪ってきた。Thestaronlineの報道によると、今年1月から10月上旬までに27人もの死者が出ている深刻な状況だ。昨年の同時期と比較すると患者数は11%も増えており、マレーシア保健省はこれまでに16,729件の報告があることを発表した。特に西部のサラワク州で劇的に増えており、9月下旬には1週間で平均60件もの報告があったため、デング熱のホットスポットとして政府は現地調査に乗り出した。その結果、デング熱を媒介するヤブ蚊が大量に繁殖していることがわかり、政府は繁殖防止を徹底することを地域住民に呼び掛けた。ゴミの処分を住民がしっかりと行っていなかったため、路上に捨てられていた空き缶や容器などから幼虫が何匹も産まれてしまったのだ。59ヶ所の住居を対象に、周辺の清掃作業を早急に行った結果多少の改善が見られた。
デング熱は発症件数が非常に多いため、政府には引き続き迅速な対応が求められる。各エリアの状況を注視し、なるべく早く繁殖地域を特定し、病原菌を殲滅することがデング熱の拡大を抑える最も効果的な方法だ。またサラワク州のように爆発的に住民が発症した場合は、医療スタッフを早急に現地に送り込み、患者のケアにあたることが重要である。さらには地域の病院・診療所、地方自治体と連携を深め、不測の事態に備えることも肝要だ。特に11月から2月の期間が最も雨量が多い時期と言われているため、国は感染者数をこれ以上増やさないようあらゆる対策を講じる必要がある。ワクチンや特効薬がないため、保健省がいくら予算を費やしても問題を完全に解決することは非常に難しい。そのため上記のような清掃作業などを日常的に行い、地道な努力を重ねるしかないのだ。ゴミの処分はもちろんのこと、水道管などヤブ蚊が繁殖しやすい場所を定期的にチェックする必要がある。政府、地方自治体では限界がある箇所は住民の協力が不可欠である。(Medister Taro 2012年11月7日)