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【マレーシア】医薬品製造・卸売事業のエーペックスヘルスケア

マレーシアの大手製薬会社、エーペックスヘルスケアは今月第3四半期の決算報告書を公開した。今年度はこれまでに2116万リンギット、昨年同期間から約76.3万リンギットの増益となった。

シンガポール、ベトナム、インドネシア等国外にも拠点を構える同社は現在主に4つの事業を展開している。一つ目の事業(Apex Pharma)では主にヘルスケア商品、医薬品の卸売を行い、全国八ヵ所に物流倉庫を設けている。独自の販売管理ソフトを用いることにより配送・配達が容易になり、ミスの少ないスピーディな作業が可能となった。それらに加え、商品のスペシャリストを常駐させているため質の高い管理体制が整っている。

製薬事業を担うグループ会社のXepaは国内外の市場に向けて製造から販売までプロセス全体をサポートしている。抗感染症薬、抗糖尿病薬、血圧降下剤、神経筋接合部作用薬など製造する薬の種類は多岐にわたる。中でも評価が高いのが咳止めの薬(Sedilix®-DM)だ。また昨年は心循環系の薬のラインアップを拡充し、収益を高めることに成功した。こちらの事業も品質管理の国際基準であるGood Manufacturing Practice (GMP)を満たしており、優良企業として販売先の信頼を得ている。

国際事業は今後もさらなる展開が見込まれている。70年代から国際展開が始まり、現段階では12ヶ国に商品を輸出しているが、今後もアジアを中心に販売チャネルを拡大する狙いだ。最後にコーポレート事業部があるが、こちらは総務・経理等の他に知財やCSRなどにかかわっている。

エーペックスヘルスケアは1962年に最初の薬局を開業し、徐々に数を増やして行ったが、2005年に小売事業から一時撤退、5年後に薬剤師とのジョイントベンチャーという新しい形で復活した。これにより薬剤師は自分の薬局を持ち、経営することが可能となった。エーペックスのブランドをそのまま受け継ぐため、消費者の同社に対する認知度も高められる。近年マレーシアでは独立開業を目指す薬剤師が増えているため、ジョイントベンチャーという動きは双方にとってWin-Winのビジネスとなることだろう。(Medister Taro 2012年12月6日)

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