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【マレーシア】妊産婦保健を訴える第三回Women Deliver大会

2007年に始まったWomen Deliver 大会という国際的イベントが来年5月末にクアラルンプールで開催される。このイベントは妊産婦保健という分野に焦点を置いており、国連のミレニアム開発目標の一つである妊産婦死亡の予防に力を入れることを目標として掲げている。全世界の女性が自由な性生活・生殖活動を行えるようWomen Deliverは啓発キャンペーンの一環としてこのようなイベントを主催しているのだ。同イベントは来年で三回目となる。参加者の中には医療従事者に加え、NGOや国際機関の関係者などもおり、発展途上国の問題解決・政策立案のために意見交換・討論を行う予定だ。保健に限らず、教育、開発、人権、ファイナンス等多様なバックグラウンドを持つ人を招くことによって大勢の人に妊産婦保健という分野に興味を持ってもらうことも同イベントの目的の一つだ。決して理想論を語る訳ではなく、あくまで現実的・実行可能な対策を考え、パネルディスカッションなどを通し情報を共有する。

来年は5,000人以上と過去最多数の参加者が集まると見込まれており、メディアの注目度も高い。Women Deliverの認知度が益々高まることが期待される。妊産婦保健には課題がまだまだ多く見られ、同団体の代表者であるVanitha氏は未だに2億2200万人以上の女性が適切な避妊治療を受けられていないことをマレーシア国営ベルナマ通信のインタビューで語った(http://www.bernama.com/bernama/v6/newsgeneral.php?id=707653)。同氏はグローバルコミュニティの力に着目し、世界的な課題に皆が関われば解決の糸口が見えると考えている。またWomen Deliverは単なる啓蒙活動に留まらず積極的な支援・融資を呼びかけ、女性を助けることがいかにして社会・国全体のメリットに繋がるかを訴えている。母親と子供の健康を保障することにより、経済が活性化され、国力も向上するといった意見も多い。Women Deliverはアメリカの団体だが、マレーシアにとっても今回のイベントは自国の妊産婦保健に関する取り組み、医療技術をアピールする良い機会となりそうだ。(Medister Taro 2012年11月27日)

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