ウコンとシジミや牡蠣の取り合わせが免疫機能を高める
近年、クルクミンを成分として含むウコン(ターメリック)と、タウリンを成分として含むシジミや牡蠣を合わせたサプリメントが各メーカーから販売されている。各社の基礎研究の結果、この組み合わせで開発されたものと思われるが、クルクミンとタウリンを単剤で摂取するのと、併せて摂取する場合、効果は違うのだろうか。この答えを示唆する研究成果が公開された。
エジプトの国立研究センター(カイロ)のAhmed HH氏らのグループは、クルクミン、タウリン単独もしくは併存で、ヒト培養肝癌細胞(Huh-7細胞)における効果を検証し、医学誌「Clin Biochem.」に報告(2012 Jul 6.)した。
Huh-7細胞をクルクミン、タウリンを様々な濃度で培養し、ヘモサイトメーターによる細胞数の定量、細胞生存数、γ-IFN濃度の定量、CD4・CD8・CD25のフローサイトメーターによる計測を行った。その結果、コントロール培養細胞とクルクミンとタウリンで処置した培養細胞を比較して、細胞密度、γ-IFNレベル、CD8レベルの有意な上昇と、CD4レベルの有意な減少がみられた。また、これらは単独の培養よりも細胞密度とγ-IFNレベルでは効果が高かった。そして、クルクミン/タウリン併用法により、腫瘍細胞を溶解するCD8 T細胞応答の結果として誘導するCD4(+)ヘルパーT細胞を刺激することによって免疫力を高めると考えられた。
以上より、クルクミンとタウリンは単剤ではなく、併用した方が免疫機能に対し効果が高いことが培養細胞レベルでは示唆され、ウコン+シジミ、ウコン+牡蠣の有益性が一つ新たに見出されたと言える。(Medister 2012年7月25日)