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サンバイオ、日本における外傷性脳損傷を対象としたフェーズ2臨床試験開始のお知らせ

東京–(BUSINESS WIRE)–(ビジネスワイヤ) — サンバイオ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:森
敬太)は、本日、神経系疾患を対象に日米で開発を進めている再生細胞薬SB623(以下、「本剤」)の外傷性脳損傷を対象としたフェーズ2臨床試験を国内で開始しましたので、お知らせします。

当社グループではすでに米国において他家由来の再生細胞薬としては世界で初めてとなる外傷性脳損傷を対象としたフェーズ2臨床試験をグローバル治験(被験者数:52人)「本試験」として開始しておりますが、この度、日本においても治験を開始し、本試験に日本からの被験者を組み入れます。本試験では、外傷性脳損傷に起因する慢性期の運動障害をもつ患者様を対象に、本剤を用いた当社グループ独自の再生細胞薬の治療効果を評価いたします。

当社グループが開発中の再生細胞薬は、一過性に遺伝子導入した成人骨髄由来の間葉系幹細胞を加工・培養して製造したもので、脳内の神経組織に投与されると自然な再生機能を誘発することで失われた運動機能の改善を促すことが期待されています。米国において、慢性期脳梗塞患者(脳梗塞発症後6か月から5年を経過した、運動機能障害を抱えた患者)を対象に行われたフェーズ1/2a臨床試験では、本剤による脳梗塞後の運動機能の改善を示唆するデータが確認されており、その結果を受け、2015年12月には被験者156人を対象としたフェーズ2b臨床試験(二重盲検試験)を開始しています。

外傷性脳損傷は、自動車事故、転倒、スポーツ外傷など極めて多様な事象によって引き起こされ、患者様に運動機能不全など生涯にわたる障害をもたらすことも多く、根治治療が存在しないアンメッド・メディカル・ニーズの高い疾患です。外傷性脳損傷により後遺障害を抱える人の数は米国だけでも530万人に上ると推計されています。本試験は、脳梗塞から外傷性脳損傷へ適応を拡大して実施する治験です。

当社の臨床開発部長兼メディカル・ディレクターである金子健彦は以下のように述べています。「北米に続き日本でも本剤の治験が開始できることを大変嬉しく思っています。本試験の準備を通して、日本の医療現場、患者の皆様から大きなご期待が寄せられていることを実感しています。今回治験にご協力いただく各大学病院の先生方および治験事務局の方々のご尽力に心より感謝するとともに、本試験において本剤の安全性と有効性を評価し一日でも早く患者の皆様に貢献できるよう努めてまいりたいと思います。」

日本では2014年11月に薬事法が改正され、従来の医薬品と医療機器に加え、再生医療等製品が新しいカテゴリーとして定義されるとともに、再生医療等製品に関しては、条件および期限付きの早期承認制度がスタートしており日本が世界でもっとも早く販売承認が下りる国となりました。新制度下ではすでに再生医療等製品として2品目の販売承認が下りており、日本が世界の再生医療のリーダーとなる基盤が整いつつあります。

当社グループは、2001年に米国カリフォルニア州で創業して以来、再生細胞薬の開発に注力してまいりましたが、薬事法改正等の制度変更にともない、日米両国に開発の拠点を拡大し、2015年からは日本での臨床開発にも本格着手しました。この度、日本でも治験を開始し、日米グローバル治験の早期完了を目指すとともに、世界に先駆けた早期承認制度を最大限活用することで、本剤の日本における早期販売を目指します。

本試験は、全米約25カ所、日本国内約5カ所の約30カ所の医療機関で実施される国際共同治験で、被験者数は日米合計52名を予定しています。国内での臨床試験開始に先立ち、米国においては、2016年7月より被験者の組み入れを開始しています。本試験では、本剤の有効性、安全性、忍容性(注1)について評価を行います。

本件に関して、平成28年3月16日付「平成28年1月期決算短信〔日本基準〕(連結)」にて公表しました平成29年1月期の通期連結業績予想値に修正はありません。

以上

(注1)
忍容性とは、薬物の有害作用(副作用)が被験者にとってどれだけ耐えうるかの程度を示すもので、薬物の服用によって、有害作用(副作用)が発生しても被験者が十分耐えうる程度であれば、「忍容性が高い」、逆に耐えられない程の有害作用が発生する場合は「忍容性が低い」ということになります。

再生細胞薬について

当社グループが手掛ける再生細胞薬は、病気・事故等で失われた身体機能の自然な再生プロセスを誘引ないし促進させ、運動機能、感覚機能、認知機能を再生させる効能が期待される医薬品です。

サンバイオ株式会社およびSanBio, Inc.

当社グループは、再生細胞薬の研究、開発、製造及び販売を手掛ける再生細胞事業を展開しています。当社独自の再生細胞薬であるSB623は、米国において、慢性期脳梗塞を対象に2015年12月にフェーズ2b臨床試験を、外傷性脳損傷については2015年10月にフェーズ2臨床試験を開始しています。当社グループは、東京を本社とし、米国のサンフランシスコ・ベイエリアに研究開発の主たる拠点を構えています。

Contacts

サンバイオ株式会社
経営管理部
松岡 弘子
電話:03-6264-3481