スペルミンサプリメントで関節リウマチ予防の可能性(ラット実験系で検証)
ポリアミンは納豆や豆腐、みそなど大豆食品全般に含まれ、アルツハイマー病や骨格筋肥大などに効果があるという報告がある。中でもポリアミンの一種であるスペルミンとスペルミジンは骨粗しょう症モデルマウスで骨量の減少を防ぐことができるという報告がされていた。
スペルミンの骨に対する効果が注目される中、金沢大学大学院薬学科の米田幸雄教授らのグループは、コラーゲン誘導性関節炎(CIA)ラットにおいて、天然ポリアミンの一種のスペルミンが軟骨や骨の破壊における薬理学的特性を検証し、学術誌「J Pharmacol Sci.」のオンライン版に報告(2012年4月28日)した。
CIAラットへのスペルミンの28日間連続経口投与による補充療法により、軟骨と滑膜組織のNF-κBリガンドの受容体活性化因子のmRNA発現レベルの増加だけでなく、CIAラットの後肢の容積と関節炎スコアの上昇を抑制した。組織学的解析により、CIAラットの関節滑膜の軟骨や骨の破壊をスペルミンが予防できることを明らかにした。
以上より米田教授らは、「ポリアミンの一種であるスペルミンは関節リウマチによる関節滑膜の破壊の予防に有用であろう」と述べている。なお、本研究は全てラットの動物実験系であるため、ヒトでの効果は今後の検証課題であろう。(Medisterニュース 2012年5月31日)