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パキスタンのインフルエンザA(H1N1)pdm09の疫学調査

2009年初頭、インフルエンザA(H1N1)はメキシコや米国から発生し、急速に世界に拡散した。18,000人以上の死亡者を出し、高い罹患率を示した。新型ウイルスは、ヒト、トリ、ブタインフルエンザウイルスからの遺伝子セグメントを含んだ再集合体として発見された。

パキスタンの国立衛生研究所ウイルス課公衆衛生研究所本部のKlimov A氏らは、パキスタンの2009年から2010年にかけて流行したインフルエンザの分子疫学調査を行い、学術誌「PLoS One」に報告(2012;7(8):e41866. Epub 2012 Aug 20.)した。

パキスタンでは、2009年6月18日に初めてヒト感染例が検出された。以来、2010年8月31日現在で、262例の研究室で確かめられた症例があり、29例が死亡に至っている。流行のピークは全インフルエンザ陽性の呼吸器症例の51%以上が観察された。パキスタンからの代表的なウイルス分離株は抗原的に配列決定し、分析された。表面糖タンパク質HAとNAをコードする遺伝子の配列解析により、東南アジア地域で流行するウイルスの対応する遺伝子と高い配列同一性を示した。すべての検討されたウイルスは、ノイラミニダーゼ阻害アッセイにおいてオセルタミビル感受性であった。

パキスタンのインフルエンザA(H1N1)は同一グループを形成した。HA遺伝子はクレード7であり、A/California/07/2009ワクチン株と類似の抗原プロファイルに属した。これらの分離株は、高い病原性を示すアミノ酸変化を伴うものではなかった。

以上よりKlimov A氏らは、「高病原性や薬剤耐性の潜在的変異体の同定のために、これらのウイルスの監視を継続することが不可欠だ。」と述べており、持続的な検証が期待される。2009年11月29日午後10時現在、欧州疾病予防管理センターが発表したパキスタンの感染者数は6例、死亡者数1例という報告で有ったが、最終的に262例の感染者数、29例の死亡者数という結果となった。発展途上国のため、医療機関で検査できないケースも相当数あると予想され、実数がどれぐらいか、現状では想定できないかもしれない。(Medister 2012年8月28日)
インフルエンザの最新知識Q&A〈2012〉パンデミックH1N1 2009の終焉を迎えて
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