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医療社会のITシステムに改革を ―ICT医療フォーラム開催―

1月31日に日本経済新聞社と総務省の共同で、「ICTによる高度医療社会の実現」と題したシンポジウムが、大手町の日経ビル日経ホールにて開催された。このシンポジウムは、ICT(情報通信技術)を活用した地域医療情報連携の現状と課題や、日本版EHR(電子健康記録)の基盤構築への展望、さらに個人や医療機関による健康情報(診療情報・健診情報など)の活用方策などについて、有識者を招いて討論することを主旨としたものである。

当日は、岐阜大学大学院の小倉真治氏が講師に招かれ、東京医科歯科大学大学院の田中博氏をコーディネーターとして、他に4名のパネリストを迎えて活発なディスカッションが交わされた。ディスカッションの主な論点としては、まずシステムの標準化が挙げられた。これは、現状では会員間で統一されたITというものが存在しないため、情報同士を繋ぎ合せるのが難しくなっている問題点を受けた話題で、会員間でのEHRのやり取りをスムーズに行うことを目的としたものである。また、IT使用システムの運用に関しては、膨大な作業になることが今後予想されるため、支援体制を整えた社会基盤を構築することが急務であろう、との意見がパネリストから挙げられた。

ITシステムは無限の可能性を秘めたツールであるため、今後全ての国民が安心して使えるように、安全性を重視することが重要であろう。場合によっては、国のほうで予算を負担して積極的に事業を進めていく必要もあるのではないか?

医療のITシステムという重要なテーマを抱えていたこのシンポジウムは、収容人数600人ほどもある会場が、ほぼ満席状態になるほどの参加客が訪れ、平日とは思えない盛況ぶりとなり、一般市民らの大きな期待が伺える。(中立元樹)

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ICT医療フォーラム開催要項