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国立がん研究センターと小野薬品工業、包括的研究提携契約を締結

国立研究開発法人国立がん研究センター(略称:国がん)と小野薬品工業株式会社(以下「小野薬品」)は、双方が有する研究能力を生かし、優れた抗がん剤創出およびがん免疫療法などにおけるバイオマーカー探索を目指した共同研究を推進するための包括的研究提携契約を締結した。

小野薬品は、日本の大阪市に本社を置き、特定領域における革新的な医薬品の創製に取り組む研究開発型の製薬企業で、糖尿病領域とがん領域を重点領域として活動している企業である。国がんと小野薬品はがん患者における全身および腫瘍局所の免疫状態の解析に加え、がん種横断的に腫瘍の遺伝子変異・発現や、腫瘍および免疫細胞の代謝状態などについても網羅的に解析する大規模な共同研究を開始している。その共同研究では、がん免疫療法の治療効果または副作用の予測等に関連するバイオマーカーを発見することにより治療成績の向上や適性使用の推進につながる情報の取得を目指すと共に、がんの免疫応答や免疫療法の耐性に関わる因子を同定することで革新的な新規がん免疫療法の開発を目指すという。

本契約は、国がんの有する高度ながん研究技術および臨床経験と、小野薬品の有する高い研究能力と創薬技術を融合することによって、がん患者とその家族の方々に一日も早く革新的な医薬品と適切な治療方法を届けることにより、社会に貢献することを目的としている。包括的な提携関係を構築することによって、今後の個別研究を迅速に進めることが可能となる。国がんは、保有する研究成果のうち小野薬品の研究開発に合致するものを小野薬品に提示し、両者協議のもと、(1)創薬標的探索研究、(2)初期創薬研究、および(3)トランスレーショナル研究を共同で進めていくという。創薬標的探索研究では創薬標的の探索、同定を行い、初期創薬研究では創薬標的の評価およびスクリーニングにより創薬候補となる活性物質(低分子化合物または抗体)の取得を目指す。トランスレーショナル研究では小野薬品が有するがん免疫療法薬などにおけるバイオマーカー探索、がん治療薬または診断薬の開発につながる研究を行う予定である。
(Medister 2016年9月20日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 国立がん研究センターと小野薬品工業、包括的研究提携契約を締結

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