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国立がん研究センター中央病院「患者サポート研究開発センター」開設

国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院では、本年9月5日より患者サポート研究開発センターを開設し、中央病院8階において運用を開始している。

患者サポート研究開発センターとは、患者が様々な相談のできる場所として、開設されたものである。常設プログラムとしては、病気が分かったばかりの時の心配事、初めての手術や抗がん剤治療などの療養生活で必要なこと、治療や療養の場所を決める戸惑い、色々な不安・悩みや辛い症状を和らげるケアや対応策について、看護師が一緒に考え、手伝う「看護相談」、患者が安心して手術を受けられるよう医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士からなる周術期管理チームが術前準備のサポートをする「周術期サポート」、生活や、社会制度、仕事などについて相談できる「相談支援センター」のほか、リハビリ、栄養相談、アピアランス相談などといった様々な支援活動に従事している。

また、様々な患者教室も開いており、そこでは治療の影響によるリンパ浮腫の予防やセルフケアをサポートする「リンパ浮腫ケア教室」、抗がん剤治療による副作用対策と生活の工夫についての「抗がん剤治療教室」、膵がん・胆道がん患者・家族向けの治療・生活・心のケアなどを行う「膵がん・胆道がん教室」のほかにも、出張ハローワーク相談会や社会保険労務士相談会なども設けているという。

さらには、国立がん研究センターの役割として、QOLを重要な指標とした新たながん診療体制を構築するため、各種の支援を開発し、その効果を科学的に評価、標準的な支援の実用化を目指していく方針である。そのため、それぞれのプロジェクトの手順の明確化、および目標と評価法の設定、評価に基づく改善に取り組み、また将来的には他のがん関連施設でも実践可能とするため、これらのプロジェクトの効率化も重要な課題として検討を行っていくことを理想として掲げている。
(Medister 2016年11月14日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 国立がん研究センター中央病院「患者サポート研究開発センター」開設
患者サポート研究開発センターホームページ