平成22年度中に感染症マップ稼働を!
日本医師会は2010年12月8日の定例記者会見で、日医総研が中心となって国立感染症研究所も関わり研究開発された「感染症サーベイランス」をテスト公開すると発表した。このシステムは感染症の疑いのある症例を地域ごとに集積して地図に表示するもので、ほぼ全自動で,24時間以内に地域の関係者間で情報共有できるようにすることを狙いとしたシステムである。目下のところは、全国で猛威をふるうインフルエンザの感染地域情報をスピーディーにモニタリングすることを目標としており、その他にも順次対応する病原体を拡大していく方針を明らかにしている。平成22年度中には感染症サーベイランスのシステムを本格稼働させる予定だ。
現在の大きな課題としては、このプロジェクトに協力している医療機関数がまだ数百施設しかないことが挙げられる。日本医師会の見解としても、地域間の格差をなくすために最低でも3,000から4,000施設の医療機関の参加が必要だとのことである。平成22年度も残すところあと2カ月程度となった。時々刻々と変化していくインフルエンザを初めとした感染症の拡大に即急に対応できるシステムとして完成させるためにも、このプロジェクトの主旨を官民一体となってできる限り多くの医療機関にPRし、この年度内に当初の目標を達成できるような数の協力機関を得ることは言うまでもないが、その他にも人間以外の動物などが原因となって起こる危険な感染症などにも対応できるようにするために、大学や研究機関などの専門分野のスタッフらにも、今後幅広く呼び掛けていくことが重要課題なのではないだろうか?(中立元樹)
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