日曜日に開いているクリニック
日曜日に開いている病院があれば、便利ですよね。だいたい、大きな病院では、外来が平日の昼間。風邪程度ならいいですが、少し込み入った病気になると、仕事を休まないといけない。また、慢性疾患のコントロールでも、休みの土曜日に行かざるをえない。でも、土曜日は、混んでいる。
ですが、病院・開業医とも、平日夜、土日に診療しない理由があります。それは、日本医師会が、病院・開業医と診療時間を統一させているからなんです。仮に診察時間がずれている病院・開業医がいると、患者様がそこに集中し、そこだけ儲かるから。別に、いいと思うのですが。そうそう特定の平日の曜日に、患者様が集中するわけではない、と思うのです。不動産業界とか、特定の曜日が休みのところは多いですが、そんなの経済界のごく一部ですよ。割合からしたら。
ですが、救急患者様のために、救急指定病院として、その日の夜間休日当番病院を定めており、救急診療は受けられます。救急の外来をする、病院側のメリットとしては、夕方5時を過ぎてからの診療行為には、夜間休日特別加算が、1.35倍~1.60倍ある点です。また、患者様のニーズに合わせて、夜間休日でも病院に行けるように、医師会側も変わってきています。例えば、夜間休日専門の病院を作ったり、平日1日を休みにして土日に開いているとか。
しかし、夜間や休日専門とすると、病院は保険診療では成り立たないのです。
夜間専門にすると、それが通常の診療時間とみなされ、時間外の加算料金を取ることができない、というおかしな話。夜間救急が成り立つのは、昼間も開いていて、なお、夜や休日も開いている場合。だから、医師会が中心となって夜間休日専門病院を設置しているのです。深夜料金が取られる、他のサービス業とは、えらい違いです。
最近はショッピングモール内で開業しているクリニックでは、ショッピングモールの休館日に合わせて休診、で、日曜日が開いています。海外では夜開いているのが、普通なのだそう。やはり、わが国では、医は仁術。商売・ビジネスではない。という、意識が、まだまだ強いからかも知れません。しかし、実情は、景気が悪い性で、労働時間は延び、夜間休日専門診療のニーズは、大変に高まっているのです。そこらあたり、厚生労働省は、いかに机上の空論を振りまわし、現状認識がないか。と、いうのが、わかるでしょう。どこかの、リコール対象が相次いだ企業が、トップに現場を知らない人間ばかりを集めていた、というのと似ていませんか?
もう少ししたら、夜間休日専門診療は、充実させられるでしょう。しかし、マンパワーの確保が、できにくいのです。昼の人員削って夜に回す病院も、民間にはあるようですが。海外では、看護師のシフトのごとく、医療関係者をうまローテーションして、夜間休日専門診療やっている国もあるのに。だいたい、急に起こる怪我や病気は、夜間や早朝に多いのですよ。入院していて、救急車の入ってくる、時間帯を見ていて思います。
では、現状を変えるためには、どうしたらいいのでしょうか?やはり、現場のスタッフが、声を上げるべきです。陳情に厚生労働省まで行く、時間がない?いや、インターネットでは、医療関係者の書き込みが、花盛りですよ。忙しいとはいえ、夜の落ち着いた時間や、比較的ハードでない当直時は、ネットをしているスタッフも多いのです。夜から、ネットの書き込みが増えるので、わかります。そういう、メディアを利用して、業界を動かせばいいのです。現に、アラブ社会で起こっている、民主化運動は、インターネットでの意見が集結した、という側面があります。また、さる省庁は、インターネットでの意見に動かされている、という噂も聞きます。
(三川恵子)
平日の夜や日曜日に開いている病院はなぜない? – 医療 – 教えて!goo