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未認可の薬品・治療法の認可を

未認可の薬品・治療法が、利用できずに今日も多くの患者が不利益をこうむっています。未認可の薬品・治療法そのものが利用できたとしても、自費扱いとなり、出費がかさんでしかたがないとか。高度先進医療と、かっこよく言っていますが、要は未認可の薬品・治療法です。それをカバーしますなんて、あざとい保険商品も出てきました。ですが、頭の固い厚生労働省の、職員のせいもあるのです。いわゆる試験対策だけは有能な文系出身者と医療現場を知らない医学部出身者が、認可手続きをしています。それは、某メーカーで、現場を知らない社員が、本社の役職に就いているのと、同じ状況なのです。日本が遅れるのは職員の質だけでなく、安全性や有効性を確認する治療への導入の遅れ(欧米の1,1年に対し日本は1,8年)や審査の事務処理を行うマンパワーの絶対的不足(米国FDA約2000人に対し日本医薬品医療機器総合機構約400人)があります。このままでは、海外では標準的な薬でも、日本で承認されていない新薬だ、となる薬、すなわちドラッグ・ラグにある薬は、ますます多くなるでしょう。それは、医療機器や医療素材の場合も同じ。この遅れはデバイス(医療機器)・ラグといいます。欧米で標準的な医療機器の、その半数が日本では承認されずに使われていないのです。この状況を変えるには、どうしたらいいのでしょう?それは、署名活動などの運動をする。今は、幸いインターネットなどで、人がすぐ集められます。おとなりの国で、インターネットによる反日運動が盛り上がるのを見ると、わかりますよね。そういう状況を、平和利用するのです。あるいは、治療の最前線にいる先生、高齢で第一線からは退いたけれども何らかの医療は行っている先生に、一肌脱いでいただくのです。とりわけ上の世代の方は、外国に負けてたまるか。という意識を物心ついたころから、植えつけられています。外国への対抗意識は、高度成長期以降の世代の、比ではありません。このままでは、アメリカや中国に負けますよ。と言えば、動いてくれます。現場を長年見てきた先生の、一言は、机上の空論を振り回している御仁に効きます。先日も、ようやく国産の埋め込み型補助心臓の承認が得られました。欧米では、標準的治療であったにも関わらずです。日本では、今まで人工心肺につながれ、入院どころか、病室内の移動も自由にならない状況でした。その状況に、専門科の医師が、遅れすぎだとコメントしたのが、効いたようです。埋め込み型補助心臓ですと患者は在宅で生活できます。

さらに、中国の富裕層をメインに外国人患者を積極的に受け入れようという動きがあります。日本人医師の、器用さは、いにしえの白い巨塔時代から変わりませんから。そのための医療滞在ビザの設置などの、医療ツーリズムが推進されています。そんな、外国人患者を呼び込んでおいて、ドラッグ・ラグで日本人患者が、救われないのは、おかしいじゃないか?と、運動を起こすのです。

(三川恵子)

国内未承認薬