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武田薬品とPvP Biologicsによるセリアック病治療薬の開発に関する提携契約の締結について

大阪 & サンディエゴ & シアトル–(BUSINESS WIRE)–(ビジネスワイヤ) — 武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とPvP Biologics,
Inc.(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ、以下「PvP社」)は、このたび、新しい酵素製剤KumaMaxの開発におけるグローバルでの提携契約を締結しましたので、お知らせします。KumaMaxは、グルテンが持つ自己免疫反応を引き起こす成分を胃の中で分解するよう設計された酵素製剤であり、誤ってグルテンを摂取した際のつらい症状や小腸の損傷を防ぐことが期待されます。


KumaMaxは、前臨床の段階にある、独自に設計された組換え酵素製剤で、胃の酸性状況下で活性化し、セリアック病の引き金となる自己免疫反応を誘発するグルテンの成分に対して高い特異性を持ちます。現在、セリアック病の唯一の治療法は厳格なグルテン除去食ですが、その継続は非常に困難です。グルテン除去食を努力して続けていても、誤ってグルテンを摂取してしまう可能性のあるセリアック病の患者さんにおいて、KumaMaxは、免疫反応を引き起こすグルテンの成分を、胃を通過する前に分解することにより免疫反応を抑制し、セリアック病によってもたらされる症状や腸の損傷を軽減することが期待されます。

本契約により、PvP社は、あらかじめ定められた開発計画にもとづき、すべての研究ならびに臨床第1相試験での概念実証(proof-of-principle)試験(グルテンを分解することを確認する試験)までの臨床開発を行います。武田薬品は、あらかじめ定められたデータパッケージを受領した後にPvP社を買収するという独占的なオプション権を有することを条件に、開発計画に関する費用として同社に35百万米ドルの資金を提供します。PvP社が開発計画を成功裏に完了した場合、武田薬品は、一時金の支払い(金額非開示)と将来の開発および申請・承認に応じたマイルストンの支払いを条件に、同社買収のオプション権を行使する可能性があります。

武田薬品のGastroenterology Therapeutic Area Unit HeadであるAsit
Parikhは、「このたびのPvP社との提携は、当社のセリアック病に対する治療法の開発を強化するものです。セリアック病の患者さんは、グルテン除去食療法によりグルテンの摂取を防ごうとされていますが完全には防ぎきれず、慢性的な衰弱症状に苦しまれています。KumaMaxは、こうした切実なアンメットメディカルニーズに対応できると期待されています。PvP社のマネジメントチームは、慢性的な炎症性消化器系疾患を対象とした製品の開発を見事に成功させた豊富な経験と実績を有しており、同社と提携できることを嬉しく思います」と述べています。

PvP社社長CEOのAdam
Simpsonは、「武田薬品が有する消化器系疾患領域における経験と実績は、セリアック病の患者さんの生活向上のため、これまでにない経口酵素製剤による治療法を開発するという当社の目標を達成する上で、大きな助けとなります。さらに、武田薬品から多くの投資を受けられることにより、KumaMaxの治療薬としての開発を加速させることができます」と述べています。

PvP社会長の山田忠孝は、「セリアック病は、わずかなグルテンの摂取でも小腸に損傷をもたらし得る自己免疫疾患です。KumaMaxは、前臨床試験において、グルテンを非常に効率的かつ効果的に分解できる可能性を示しました。これは、何百万人もの患者さんの生活を脅かす疾患に対する経口治療薬として大きな可能性があることを示唆しています」と述べています。

セリアック病は、世界で100人に1人の割合で発症すると推定されており、急性の消化器症状や栄養失調、虚弱体質、発育障害などの深刻な健康障害をもたらします。またセリアック病は、年齢に関係なく発症し、治療されないまま放置された場合、さらに重篤な健康上の問題を引き起こす可能性があります。

<PvP社について>

PvP Biologics,
Inc.は、セリアック病の治療における経口投与の酵素製剤の開発を行っています。PvP社のミッションは、この病気を抱える人々の苦痛を取り除くような極めて有効な医薬品を開発することです。この目的を達成するため、PvP社は、グルテンが持つ自己免疫反応を引き起こす部分を胃の中で分解するよう設計された製品候補を開発してきました。これにより、誤ってグルテンを摂取した際のつらい症状や小腸の損傷を防ぐことができます。この技術は、ワシントン大学タンパク質設計研究所(Institute
for Protein Design at University of
Washington)で開発され、PvP社が独占的にライセンスを所有しています。PvP社は、サンディエゴに本社を有し、シアトルに研究所を有しています。詳細についてはhttps://pvpbio.com/をご覧ください。

Contacts

<報道関係問い合わせ先>
PvP Biologics, Inc.
Jessica Yingling
Tel:
+1-858-344-8091
E-mail: jessica@litldog.com
または
武田薬品工業株式会社
CCPA
コーポレート・コミュニケーション
吉川 愛
Tel: 03-3278-3004
Email: ai.yoshikawa@takeda.com