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肥満における砂糖入り飲料と遺伝的リスクの関係性

生活習慣病の予防において、遺伝と生活環境はどちらが重いかというのは、しばしば話題に登るテーマである。

砂糖入り飲料の消費量の増加は、肥満率の上昇と一致しているように見えるが、これらの飲料摂取の肥満の遺伝的要因との関連性については不明であった。そこで、ハーバード大学公衆衛生スクールのLu Qi氏らのグループは、砂糖入り飲料の消費と、遺伝リスクにおいて、どちらが肥満への影響に関連しやすいかを検討して、医学誌「N Engl J Med」に報告(2012; 367:1387-1396)した。

Lu Qi氏らは、女性6,934例の看護師健康研究(NHS)、男性4,423例の医療従事者のフォローアップ研究(HPFS)、女性21,740例の女性のゲノム健康研究(WGHS)を分析し、遺伝的素因と体格指数・肥満のリスクとの関係で砂糖入り飲料の摂取量との相関関係を検討した。遺伝的素因は、32ヶ所のBMI関連遺伝子座について検討した。

その結果よりLu Qi氏らは、「肥満との遺伝的関連は、砂糖入り飲料の摂取量よりもより顕著であるように思われる。」と結論づけた。つまり、肥満に関しては、飲料を飲むという生活習慣よりも遺伝の方が重要だということになる。(Medister 2012年10月15日)

肥満の疫学
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