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電話サービスと看護師の支援で禁煙できる

厚生労働省発表の平成22年11月に実施した「国民健康・栄養調査」では、習慣的に喫煙している人の割合が、男性32.2%、女性8.4%、総数19.5%で前年に比べて男女とも減少傾向にあるが、禁煙したくてもできないという人はまだ多く、「禁煙外来」を標榜するようなニコチン依存症管理料算定医療機関の患者として治療を受ける。

米国では、喫煙者の禁煙を目指した治療法の一つとして、Quitlineと呼ばれるサービスが知られている。Quitlineは国、自治体、病院、保険者、職域などが提供する無料の電話相談サービスで、コーチングやカウンセリング、Webベースでのサービス、そして場合によってはニコチン置換療法のための治療薬を無料で提供する場合もある。

カリフォルニア大学デイヴィッド・ゲフィン医科大学院のJenny Kotlerman氏のグループは、喫煙者(n=651人)の少ないカリフォルニア州の看護師による介入を、喫煙者が多いインディアナ州(n=720人)と西バージニア州(n=419人)の看護師の介入と比較して、その結果を看護学専門誌「Research in Nursing & Health」に報告(Volume 35, Issue 3, pages 250–264, June 2012)した。

カリフォルニア州の看護師は、比較対象の2州より喫煙者に助言する可能性が高かく(オッズ比1.34, 95%信頼区間[1.06, 1.69])、電話による禁煙援助サービスQuitlineに案内すること(オッズ比2.82, 95%信頼区間[1.36, 5.88])が多かった。その他の点で介入方法に違いは認められなかった、とのことだ。また、Quitlineが紹介されるのは16%程度で、高い率ではなかったが、看護師が喫煙者の禁煙のために配置されると4倍になった(オッズ比 4.07, 95% 信頼区間 [3.11, 5.32])という。

これらより、禁煙のための電話サービスが活用されており、それを医療機関の看護師が協調的に介入することで効果が高まることが示唆される。(Medisterニュース 2012年5月29日)