医療NEWS

【シンガポール】患者会のようなSNS「BlablaDoctor」

これまでにご紹介してきたシンガポールのヘルスケアWebサービスの共通点は個人・法人にとって有益な情報を管理者が提供しているということだ。当たり前のような話だが、中にはさらに一歩踏み込み「ソーシャルネットワーク」(SNS)という形を取っているサイトも見られる。Health Xchangeは医師と患者を繋ぐ画期的な仕組みになっているということをご説明し、Men’s Health Magazineのようなメディア系サービスは読者がコメントを残す、掲示板に書き込む等の機能があることを以前お伝えした。しかしこれらのサイトはユーザー同士が交流を深めることを第一の目的としている訳ではない。

その一方でHEATLH2iが開発したBlablaDoctorは国境を越えてユーザーがオンラインで繋がり、症状を克服するために情報提供等を通じて協力し合う、真の意味でのSNSなのかもしれない。企業全体に関する情報は少ない(2011年に設立)が、設立者のデュランド氏は同サイトの中で同じ症状で悩む患者が一つの場に集まり、一緒に解決策を模索する重要性を唱えている。周りの人に訴えても自分の症状と辛さを中々理解してもらえないケースは多くの人が経験したことがあるだろう。BlablaDoctorはそのような状況から生まれる孤独感、閉塞感を解消する役割を担っている。自分と同様の悩みを抱えている人と距離を縮めることにより、自分のことを理解してもらい、勇気づけられるきっかけになるとデュランド氏は語る。また彼は医師側にも積極的にSNSを利用することを訴えている。患者に向けて解決策を提案するだけでも大変意義のあることだが、医師にとっても患者が書き込んだ病状に関する理解を深められるという点でメリットが大きい。このサービスを上手く活用すれば、例えば認知度が低い病気などに関する研究が進められる可能性がある。同サイトは患者と患者、医師と患者の両方の関係を構築し、サービス機能を徐々に増やしグローバルSNSへの発展を目指している。(Medister Taro 2012年10月31日)

<参考情報>
BlablaDoctor

ソーシャルメディア進化論
ソーシャルメディア進化論