IDHIFA®(enasidenib)経口薬の第1相試験から得た最新データは、IDH2変異を持つ再発性/難治性AML患者における完全奏功率および奏功期間を示す
全奏功率は40.3%で奏功期間の中央値は5.8カ月、完全奏功率は 19.3%で完全奏功達成患者における奏功期間の中央値は8.8カ月
全般的な安全性プロファイルは報告済みのデータと一致
臨床データとトランスレーショナルデータがBlood誌オンライン版に同時掲載
シカゴ–(BUSINESS WIRE)–(ビジネスワイヤ) —
セルジーン・コーポレーション(NASDAQ:CELG)とアジオス・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:AGIO)は本日、進行中の第1相用量漸増/拡大試験から得た有効性/安全性データを発表しました。本試験は、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ2(IDH2)変異持つ再発性/難治性急性骨髄性白血病(R/R
AML)患者で経口治験薬IDHIFA®(enasidenib、エナシデニブ)を評価するものです。IDHIFAは治験用の画期的新薬として変異型IDH2酵素を標的とする経口阻害剤で、本試験で19.3パーセントの完全奏功率を含め、40.3パーセントの全奏功率を示しました。データは米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で口頭発表され、同時にBlood誌*にオンライン掲載されました。
セルジーンの血液疾患/オンコロジー担当プレジデントであるMichael
Pehlは、次のように述べています。「奏功期間を含め、第1相試験から得られた最新の結果は、IDH2変異を持つ再発性/難治性AML患者に対する画期的新薬としてのenasidenibの将来性を補強するものです。患者は再発性/難治性AMLに対する治療選択肢がほとんどないため、当社はこの有望な標的治療薬をできる限り早く前進させたいと熱望しています。」
2016年4月15日時点で、IDH2変異を持つ進行性血液悪性腫瘍の患者計239人が本第1相試験に組み入れられ、うち176人がR/R
AMLを患っています。報告されたデータにはenasidenibを、用量漸増群で1日計50 mgから650
mgの範囲で投与された患者と、第1相拡大群で100
mgを1日1回投与された患者が含まれています。最大耐用量には到達していません。本試験に組み入れられた患者の年齢の中央値は70歳(範囲19~100歳)です。R/R
AML患者は受けた前治療の回数の中央値が2回(範囲1~14回)でした。
enasidenibにつき観察された全般的な安全性プロファイルは、報告済みのデータと一致するものでした。患者の24パーセントが治療に伴う重篤有害事象(SAE)を経験しましたが、そのうち顕著なものはIDH分化症候群(8%)、白血球増加症(4%)、腫瘍崩壊症候群(3%)、高ビリルビン血症(2%)でした。治療下で発現した有害事象で最も頻度が高かったのは悪心(46%)、高ビリルビン血症(45%)、下痢(40%)、疲労(40%)でした。
IDH2変異を持つR/R
AML患者176人から得たデータは、本試験の主要評価項目に設定した全奏功率が40.3パーセント(患者176人中71人)であることを示しました。さらに完全奏功率は19.3パーセント(患者176人中34人)でした。奏功期間の中央値は全奏功患者で5.8カ月[95%
CI 3.9~7.4]、完全奏功を達成した患者で8.8カ月[95% CI
6.4~NR]でした。初回奏功までの期間の中央値は1.9カ月(0.5~9.4)で完全奏功までの期間の中央値は3.8カ月(0.5~11.2)でした。試験で観察されたR/R
AML患者の全生存期間の中央値は9.3カ月[95% CI
8.2~10.9]でした。さらに、治療効果の経時的な質的向上、血液学的パラメーターの経時的な向上、完全奏功と輸血非依存性を達成した患者の全生存期間を含む試験結果も報告されました。
メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター白血病部門で主任研究員と主治医を務めるEytan
Stein医師(M.D.)は、次のように述べています。「私たちは本試験における完全奏功に加え、治療効果と血液学的パラメーターの経時的変化も確認しました。これらの結果は、変異型IDH2の阻害によって骨髄芽球分化が可能となり、その結果としてenasidenibの臨床的有効性を高める可能性があることを示しています。」
アジオスの最高医学責任者(CMO)であるクリス・ボウデン(M.D.)は、次のように述べています。「IDH変異を標的とすることが、悪性細胞の分化を可能とし、AML治療に新しいパラダイムをもたらすと考えられています。これらのデータは、IDH阻害が一部のAMLで重要な役割を果たしていることを示しており、当社はこの新クラスの有望な治療薬に関する研究について、今後も報告していきます。」
利用可能な補足的データ – IDH分化症候群とトランスレーショナルアナリシス
enasidenib関連のIDH阻害剤関連分化症候群(IDH-DS)の別の分析結果も、ASCO総会におけるポスターディスカッションで発表されましたが、それは独立した「分化症候群審査委員会」(DSRC)の審査所見を詳述したものです。委員会は治験担当医が報告したIDH-DS症例について審査し、可能性のある症例27例中13例がIDH-DSと一致すると判断しました(患者109人の11.9%)。これらのデータは、IDH-DSの兆候や症状が見分けのつくものであることを示しています。IDH-DSはenasidenib治療を受けた変異型IDH2
AML患者における新しい臨床所見ですが、それは作用機序とされている白血病細胞の分化による可能性があります。
臨床データの公表に加え、enasidenibの作用機序を説明した追加分析の結果がBlood誌にオンライン掲載されています。患者試料の分析では、enasidenibによる変異型IDH2阻害の前臨床における効果と作用機序は、AML細胞の分化を通じたものであることが確認されています。著者らは、これらのデータがenasidenibへの抵抗性に関する詳細な分析を実現し、機序に基づく併用療法の今後の研究に資すると結論付けています。
臨床開発
Enasidenibは、下記の進行中の臨床試験で研究が継続中です。
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IDH2変異を持つ高齢R/R
AML患者で従来の治療レジメンと比較してenasidenibの有効性と安全性を評価する第3相IDHENTIFY試験(NCT02577406) - 初発AMLでenasidenibまたはivosidenibを標準的な導入/地固め化学療法と組み合わせた第1b相試験(NCT02632708)
- 初発AMLでenasidenibまたはivosidenibをazacitidineと併用した第1/2相試験(NCT02677922)
IDHIFAの新薬承認申請(NDA)は、IDH2変異を持つ再発性/難治性AML患者の治療を目的として米食品医薬品局(FDA)の優先審査が進行中です。NDAは処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)による審査期限が2017年8月30日と設定されています。
Ivosidenib(AG-120、アジオスが完全保有)は、変異型IDH1酵素を標的とする治験用の経口阻害剤です。
AG221-C-001について
AG221-C-001試験は3つの部分を含んでいます。すなわち第1相用量漸増、パート1(第1相)拡大、第2相拡大の各試験です。
第1相用量漸増試験は、最大耐用量と第2相推奨用量を定め、IDH2変異を持つ進行性血液悪性腫瘍の患者でenasidenib(AG-221/CC-90007)の有効性と安全性を評価するようにデザインされています。パート1拡大試験ではさらに、R/R
AML、未治療AML、骨髄異形成症候群、IDH2変異を持つその他の進行性血液悪性腫瘍の患者でenasidenibの安全性、忍容性、有効性を評価しました。第2相拡大試験はR/R
AML患者で観察された臨床活性に基づき、100 mg 1日1回の推奨用量におけるenasidenibの有効性を評価し、IDH2変異を持つR/R
AML患者での安全性をさらに評価するようにデザインされました。試験はOSについての結論に達するようにはデザインされておらず、そのための統計的検出力を備えていません。OSを主要評価項目とする第3相ランダム化対照比較試験を開始しました。
急性骨髄性白血病(AML)について
血液と骨髄のがんの一種であるAMLは、急速な疾患進行を特徴とし、成人が患う急性白血病の中で最も多い種類となっています。未分化の芽細胞が、正常な血液細胞へと成熟せずに骨髄内で増殖します。AMLの発生率は加齢とともに大幅に増加し、米国がん協会によれば発症年齢の中央値は66歳です。患者の大半は化学療法が奏功せず、再発性/難治性AMLへと進行します。AMLの5年生存率は約20~25パーセントです。IDH2変異はAML症例の約8~19パーセントに存在します。
アジオスについて
アジオスは、細胞代謝の分野における科学的リーダーシップを通じ、がんと希少遺伝性疾患を治療するための新規治験薬の創薬と開発に傾注しています。アジオスは、これら2つの治療領域で進めている研究/創薬パイプラインに加え、臨床開発段階もしくは前臨床開発段階または両段階で画期的新薬としての治験薬を複数保有しています。アジオスのプログラムはすべて、代謝学、生物学、ゲノミクスに関する当社の知識を活用し、遺伝子同定がなされた患者集団を専ら対象にしています。詳細情報については、当社ウェブサイト(www.agios.com)をご覧ください。
セルジーンについて
米ニュージャージー州サミットに本社を置くセルジーン・コーポレーションは国際的な総合バイオ製薬企業で、主としてタンパク質恒常性、腫瘍免疫、エピジェネティクス、免疫、神経性炎症の次世代ソリューションを通じて、がんと炎症性疾患の革新的な治療薬の創薬・開発・商業化に努めています。詳細情報についてはwww.celgene.comをご覧ください。ソーシャルメディア(@Celgene、ピンタレスト、リンクトイン、フェイスブック、ユーチューブ)でセルジーンをフォローしてください。
アジオスとセルジーンの提携について
IDHIFA®(enasidenib)およびAG-881は、アジオスとセルジーン・コーポレーションががん代謝を専門に取り組む世界的な戦略的提携の一環を成すものです。2010年の提携契約の条件に従い、セルジーンはIDHIFAの全世界的な開発/商業化権を保有します。アジオスは引き続きIDHIFA開発プログラムの範囲内で臨床開発活動を行い、それら開発活動の弁償費に加え、特定のマイルストーン達成を前提とした今後の支払いとして最大9500万ドルと売上高に応じたロイヤルティーを受け取る権利を有します。セルジーンとアジオスは、米国でIDHIFAを共同で商業化する予定です。セルジーンはアジオスに対し、共同での商業化活動に要した費用を弁償します。
将来見通しに関する記述についての注記
本プレスリリースには、将来見通しに関する記述が含まれています。一般的にこれらは過去の事実に関する記述ではありません。将来見通しに関する記述は、「予想する」、「見込む」、「考える」、「意図する」、「見積もる」、「計画する」、「するだろう」、「見通し」といった用語で特定できます。将来見通しに関する記述は経営陣の現在の計画、見積もり、想定、予測に基づいており、発表時点での見解です。法で義務付けられた場合を除き、新たな情報や将来の出来事が発生した場合でも、セルジーンおよびアジオスはいずれも将来見通しに関する記述を更新する義務を一切負うものではありません。将来見通しに関する記述は固有のリスクと不確実性を伴います。これらのほとんどは予想が難しく、通常は両社の管理範囲を超えたものです。実際の結果や成果は、多くの要因の影響により、将来見通しに関する記述で示唆されたものと大きく異なる可能性があります。これらの要因の大部分については、フォーム10-Kによる各社の年次報告書や、証券取引委員会への提出書類で詳しく議論されています。
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