メディスターレポート

クリニックにおける効果的なコストダウンVol.3

前回からの空室問題の続きです。
効果的な賃貸運用は長く借り続けてもらうことですが、下の表をご覧ください。
10年間での賃貸状況をシュミュレートしてみました。

1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 合計
A室 1200 1200 1200 1200 空き 1080 1080 1080 空き 960 9000
B室 1200 1200 1200 空き 1080 1080 1080 空き 960 960 8760
C室 1200 1200 1200 1200 1080 1080 1080 1080 960 960 11040

このようにA室とB室には転出時にそれぞれ1年間の空室期間があると仮定して、空室対策として募集賃料を下げて次の入居者を募集した場合と、長期にわたり借りているテナントの賃料を後から入居したテナントに合わせた想定ですが、途中で賃料を下げたとしても空き室期間の無いC室が一番多く賃料収入があります。
このように論理的には賃料の格差を都度無くしていけば、不公平感がなくなり転出理由が少なくなりますが、実際にはそのような賃料改定が行われることはありません。それは更新時に家賃を下げなくても借り手が何も言わない場合が多いからです。
本来は貸主と借主は対等な立場であるにもかかわらず、日本独特の習慣として上下関係を感じてしまい。減額交渉を行うと関係性が悪くなると感じてしまい、躊躇してしまいます。
家主さんの方も上下関係を意識した態度の方も多いので、そう感じることが多いのです。
このことからも協議をすることは、大変デリケートな問題です。
なぜ家主さんは賃料減額に応じてくれるのか?の質問にはこう答えています。
「家主さんにとって賃料を下げることは、長い目でみると必ずしも損なことではない場合があるからです」
空室リスクは家主さんにとって大変深刻です。
人気のあるエリアは時代と共に変わりますので、人気のあるエリアだからと安心していると、長期の空室に悩む事にもなります。
クリニックの場合、入居時に部屋の仕切りや医療設備の搬入、電源工事など高額な出費が
伴います。移転するだけでも数千万円の出費がかかりますので簡単ではありません。
結論として賃料の安い物件へ移転するよりも、今の場所を借り続けたまま賃料が減額になる方が、効果的になります。
次回へ続く
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