メディスターレポート

総合科学学術誌「Science Postprint」の使い方

Meditser 2014 vol.1 page2

総合科学学術誌「Science Postprint」の使い方

ゼネラルヘルスケア株式会社

新しいオープンアクセス誌

総合科学学術誌には、例えば英国のNatureや米国のScienceなどの著明な雑誌があります。また、近年ではPLoS One(米国)という誰もが無料で購読できるオープンアクセスジャーナルが普及し、幅広い分野の論文を受け入れており、査読付きジャーナルとして年間に三万以上の論文を掲載しています。一方、日本やアジアにはこのような科学全般を取り扱った学術誌が見当たらず、先端科学の情報集積の場が存在せず、いわば輸入に頼っている状況でした。情報集積の場が充実すれば、そこに情報が集まり、人材が集まり、資金が集まることが期待されます。例えば、学術誌が主催するシンポジウムやイベントが開催され、そこに人が集まり、メーカーなどのスポンサーが研究者と共同研究を開始するきっかけになるのが、学術論文の役割になりえます。

高品質の論文査読

このような未来を目指し、アジア発の総合科学学術誌として2013年秋に創刊したのが「Science Postprint」です。すでに500名近い研究者(国内200名以上、欧米200名以上)の協力のもと、論文の査読審査の体制が整い、適切な査読審査を実施して論文が出版されています。2014年3月現在、査読前の審査で40%ほどの論文が差し戻しになり、実際の査読では30%ほどの論文がリジェクトになっています。それだけ論文の質を高めるため、研究者の協力の下、査読に力を入れているのです。

企業とのコラボレーションを増やす

Science Postprintでは、企業が研究者との接点を期待し、共同研究などに発展出来ないかと模索するためのきっかけとして、「学術賞」と連携する仕組みをご用意しています。2014年3月現在、2つの学術賞が創設されています。一つは「キャン東洋医学臨床学術賞(CAN Clinical Oriental Medicine Academic Award)」です。株式会社CANは、代替療法の治療院経営と人材教育の事業を行なっており、新たな東洋医学の治療法などを模索する中で、本賞を創設し、研究者の研究を、実践的な臨床に活用したいと希望しています。またもう一つの学術賞は、「リバネス研究費Science Postprint賞(“Leave a Nest Grant” as the Science Postprint Award」です。リバネスは科学教育の普及を目指した教育事業を中心に、先端科学技術の開発を行なっている研究開発部門を持ち、50名近い全社員が理系の修士卒もしくは博士号所持者という特徴的な企業です。日本を含めたアジア、アフリカ、南米などの科学新興国の研究者との関係構築・共同研究を目指し、同賞にノミネートした論文20件に対し1件を表彰するというプロジェクトです。リバネスが供に共同研究したいと思うような研究者が選ばれ、賞金が授与され、場合によっては共同研究に発展したり、様々な場で研究内容のPRがサポートされたりし、論文自体の認知度向上や研究者自体の認知度向上に協力してくれるのではないでしょうか。論文の価値の指標として、引用回数が引き合いになることも多いかと思いますが、まずは世の中に知ってもらい、読んでもらうことが最初の一歩です。そのきっかけになるのが、学術賞であり、Science Postprintとしては引用数向上に繋がることを期待しています。
学術論文をきっかけにして、共同研究に直結する仕組みを利用してみませんか?

学術賞の概要

[table id=1 /]
[table id=2 /]
詳しくはWebサイトをご確認ください。
http://www.spp-j.com/