<ドクターエディ・ラボ>ジャーナルが論文をリジェクトする理由とその対策について(1)リジェクトの一般的な理由(前半)
最も一般的な理由
学術出版では、論文のリジェクトはよくあることです。ある研究分野でトップレベルの研究者でさえリジェクトを経験したことがあります。 ジャーナルが論文をリジェクトする理由について、いくつかの査読付き研究論文について調査報告されています。以下に、これらの研究に引用された最も一般的な理由を挙げました。
(1)独創性、斬新性、意義の欠落
•一般化できない結論
•新しい技術・技法により時代遅れとなった実験方法の使用
•既存知識に何も付加することがなく、出版済み研究の延長または複製である二次的な分析
•既知の知識を新たな地理的、人口的、または文化的な設定に拡張し、斬新な知識として位置づけて報告している研究
•結果が独創的ではなく、意外性がない、あるいはさして重要ではない
•結果が臨床的・理論的・実用的に影響力を持たない
アメリカの主要新聞社のひとつであるニューヨーク・タイムスは「一般にジャーナル編集者は革新的な新研究の出版を好む」という事実を認めました1。学術誌は絶えず刺激的で新鮮な研究を見つけようと虎視眈々としています。
また多くの著者は、なぜ彼らの論文が有意義なのかの説明に「これはかつて研究されたことがない」という理由を挙げる傾向にありますが、これでは十分ではありません。その研究がある医療治療の処置に影響があるかもしれない、または特定の政策協議に関係するおそれがある、など具体的な例をあげ、もっと大局的に道筋を立てる必要があります。
(2)ジャーナルとのミスマッチ
•そのジャーナルが特に対象としていない非常に限定的または特殊な読者の興味の対象である研究結果
•そのジャーナルが示す目的や領域とは外れた原稿
•そのジャーナルの読者層の興味外のトピック
•ジャーナル指定のフォーマットに従っていない原稿(例:ケースリポートを出版しないと明示しているジャーナルへのケースリポートの投稿)
多くの原稿は、その原稿がジャーナルの読者層に適さないとか、ジャーナルの目的や領域に合わないという理由で、査読を受ける前に即座にリジェクトされます。これに対する 救済方法 は簡単です。原稿をどのジャーナルに投稿するか決める前に時間を取り、ジャーナルの一覧を作成し、選択肢の見直しをしましょう。
(3)研究デザイン内の不備
•研究課題の設定がずさん
•研究課題の解決に対するアプローチの概念化が不十分
•説得力に欠ける、または信頼できない実験方法の選択
•不正確な実験方法や研究する課題に不適当なモデルの選択
•不適切な統計分析
•信頼できない、または不完全なデータ
•不適切、または最適ではない器具の使用
•選択したサンプルが小さい、または不適切
このような不備への最善の対応策は、あなたの研究に最適な方法論と手法を決めるために徹底的な文献レビューをすることです。
本記事では3つの理由について説明しました。次回はリジェクト理由の後半戦です。
参考文献
- 1.Zimmer C. It’s science, but not necessarily right. The New York Times. June 25, 2011.
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