<ドクターエディ・ラボ>査読コメントへの返答でやっていいこと、だめなこと
査読コメントに対処するのは、非常に熟練した著者であっても困難な仕事です。時には長々としたコメントで、著者が取り組まなければならない点を正確にねらい定めるのが難しいこともあるでしょう。いったん査読コメントを受け取ったら、よく注意して数回繰り返し読みます。
最初に読んだときは、査読者が自分の研究を正確に理解していないとか、無理な注文を付けていると感じるかもしれません。気分を害することもあるかもしれません。そのように感じたなら、そんな気持ちのままコメントへの回答を書くよりも、じっくりと構えてみることが大切です。数日後にコメントを何回か読みなおしてみましょう。
客観的な目で読んでいるうちに、査読者の視点を別の角度から読み取ることができ、やがて、どうやってコメントに応えたらよいかが、はっきりとわかることでしょう。
まず、査読者の主な関心が何であるか、明らかにしましょう。例えば、主なコメントは用いられている方法論についてですか?
- 査読者は、結果の解釈の仕方に疑問を抱いたのですか?
- 自分の論証を裏づけるため論文に入れたほうがよい追加データはありますか?
- 査読者の関心を明らかにできたら、回答の構成を始めましょう。
査読者のコメントが大きな段落で構成されていたら、いくつかのポイントに分割して、それぞれについて個別に対処しましょう。あるコメントについて複数の解釈が可能な場合は、回答の最初は、コメントを読んでどのように理解したか説明するところから始め、その後自分の主張を続けます。
次にあげるやっていいこと、ダメなことをおぼえておいてください。
やっていいこと
- 共著者、あるいはあなたの研究をよく知っている仲間に相談しましょう。彼らとのブレインストーミングによって、査読者の複雑なコメントに対処する最善策が見つかるでしょう。
- コメントの1つ1つに対し完全に回答すること。万が一、コメントで述べられているポイントが、すでに論文の中で扱われていたり、ある指摘がその研究の範囲を超えていると感じたりしたら、そのことも回答の中で述べてください。
- 査読者のコメント・指摘に同意しない場合でも、回答では礼儀正しく。
- 必要な場合はいつでも、文献を引用し、主張を裏づける補足的・未発表のデータを付加すること。
- 再提出は迅速に。また、査読者の指摘にもとづき論文で変更した箇所は、明確に示しましょう。
ダメなこと
- 一つ一つすべてのコメントに異議を唱えてはいけません。あなたが全面的には同意できないような小さな変更を、査読者が示唆していて、にもかかわらず従うことは簡単で、研究の価値がなくならない場合は、変更を取り入れると自分の主張を支持するのが楽になるかもしれません。
- 査読者からのネガティヴなコメントを個人攻撃と受け止めてはいけません。中立的な立場でコメントを見て、回答に力を尽くしましょう。
- 返答の手紙では “we completely disagree”といった表現は使わないように。 この記事のBox2で、重要なコメントに回答するための便利な表現リストを紹介しています。
- オリジナルのデータ/ローデータを出すように、という査読者の要求は拒否しないこと。
査読後に論文がリジェクトされる場合に備えたり、査読者のコメントが回答できないくらい厳しそうに見える時、コメントに回答しないことにし、代わりに別のジャーナルへ投稿する場合も多いです。たとえそんなときでも、できる限りコメントに則して論文を修正した方が賢明です。そうすることで、別のジャーナルに引き続き投稿するとき、受諾される可能性が高くなるからです。
以上のアドバイスがお役に立てば幸いです。
みなさんは、査読コメントで一番回答しにくいのは、どんなタイプの質問ですか??
こちらは研究者とジャーナルのための情報ポータルEditage Insights(エディテージ・インサイト)にて掲載されているコンテンツです。Editage Insightsでは、論文の執筆と投稿に役立つ情報を掲載しております。ぜひチェックしてみてください!
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